工場やビルの中では、毎日たくさんの機械が働いています。その裏側で、黙々と仕事をしているのが制御盤です。普段はあまり意識されませんが、実はかなり重要な設備を支える大切な存在なんです。
最近ではこの制御盤にIoTを組み合わせる動きが広がっていて、設備の管理のしかたも大きく変わりつつあります。
- 目次
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- 1.制御盤とは?
- 2.制御盤を取り巻く課題とIoT化の必要性
- 3.IoT × 制御盤で実現できること
- 4.導入メリット
- 5.IoT対応制御盤の設計ポイント
- 6.まとめ
制御盤とは?
制御盤をひと言で説明すると、機械の「司令塔」みたいなものです。
外から見るとただの箱ですが、中にはスイッチや電気の流れを調整する装置がぎっしり入っていて、機械に「今は動いていいよ」「ちょっと休んでね」といった指示を送っています。工場のロボットやポンプ、空調、エレベーターなど、身近な設備の多くがこの制御盤に支えられています。
制御盤を取り巻く課題とIoT化の必要性
ただ、従来の制御盤には弱点もあります。
たとえば、機械の調子を知るには現場に行って見たり触ったりする必要がありました。気づいた時には「もう部品が限界だった…」なんてことも珍しくありません。また、設備管理に関わる人手が減ってきていて、ひとりで広い範囲を見なければならないケースも増えています。
こうした背景もあり、「もっとラクに設備の状態を知りたい」「離れていてもトラブルの予兆をつかみたい」という声が増え、IoTの力が必要とされるようになりました。
IoT × 制御盤で実現できること
IoTを取り入れた制御盤は、機械の状態をインターネット経由で知らせてくれます。温度が上がっていたり、振動がいつもと違っていたりすると、すぐに気づけるようになります。まるで機械が「ちょっと変だよ」と教えてくれる感じです。
スマホやパソコンでチェックできるようにもできるので、担当者が近くにいなくても異常に気づけます。ただし、IoTの便利さを活かすには、センサーや通信機器を追加したり、データを扱う仕組みを用意するなど、いくつかの準備が必要です。いきなり全部できるわけではなく、少しずつ整えていくイメージに近いです。
導入メリット
IoT対応の制御盤を使うと、設備の安全性を高めやすくなります。現場に行かなくても状態がわかるようになれば、点検にかかる時間が減り、担当者の負担も軽くなります。「今日はあの装置だけチェックすればいいな」といった、効率の良い働き方ができるようになります。
さらに、故障の前ぶれに気づけると、生産ラインが止まるリスクを減らすことができます。工場では少しの停止でも大きな損失につながるので、これはかなり大きなメリットです。
集めたデータを使って省エネにつなげたり、設備の使い方を見直したりすることもできるため、長い目で見たときの効果も期待できます。
もちろん、データを集めれば何でもうまくいくわけではありません。設備に合った情報を選び、どう活かすかを考えて運用することが大切です。
IoT対応制御盤の設計ポイント
IoT対応の制御盤をつくるときには、いくつか大切なポイントがあります。まず、どんな情報を集めるのかをはっきり決めることです。温度なのか、電流なのか、振動なのか。設備によって必要な情報は変わります。
そして、インターネットを使うのでセキュリティの対策は欠かせません。不正アクセスを防いだり、データを守ったりする仕組みをきちんと用意する必要があります。ここを雑にしてしまうと、せっかくIoTを導入しても危険が増えてしまいます。
また、IoT機器が増えると制御盤の中身が複雑になりがちです。誰が見ても分かるように整理して設計しておくと、故障時の対応もスムーズになります。「あとから見て困らないようにしておく」ことが意外に大切です。
まとめ
制御盤は、機械を安全に動かすための大事な存在です。そこにIoTを組み合わせることで、設備の状態を遠くから見守れたり、トラブルの兆しに早く気づけたり、ムダのない運用ができたりします。もちろん、導入には準備や設計の工夫が必要ですが、これからの設備管理では IoT対応の制御盤がますます欠かせないものになっていくでしょう。
機械をもっと安全に、もっと長く使うための選択肢として、IoTと制御盤の組み合わせはとても心強い存在になっていくはずです。
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